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Forty Three point Two

やってらんねえよな

【番外】入学式後 地酒屋前にて

 入学式を終えた僕は、息子の晴れ姿を見届け満足そうな父親と帰路についていた。祝いごとに向けていかがですか、と言わんばかりに地酒屋が店の前に屋台まで出して商売をしていた。僕は「記念に買っていったらいいんじゃない」と酒好きの父親に勧めた。

 父親が会計を済ましているころ、「一年生ですか」と若い店員に声をかけられた。そうであることを伝えるなど、一言二言、会話をしたのを覚えている。

 ただ一つ覚えているのは、嬉しそうに学食のカルボナーラが美味しい、ということを言っていたことだけだ。カルボナーラが好きな僕は、とても良い事ことを聞いたと思ったし、同時に必ず食べに行こうと思った。

 授業が始まってから、僕は何度も学食に足を運んだが、カルボナーラに出会うことはなかった。いつかいつか、と思ううちに、冬になってしまった。

 大学に入って最初に決心したことを、僕は未だやり遂げていない。